支援の中で、僕が最も大切にしていること

発達障害支援の中で、僕自身が最も大切にしていることの一つがあります。

それは、「穏やかに関わる」ということです。
佐々木 康栄 2026.05.18
誰でも

「ちゃんと伝える」と「強く伝える」は違う

支援の現場では、

「しっかり伝えなければ」
「厳しく指導しなければ」
「今のうちに教えなければ」

という空気が生まれることがあります。

もちろん、危険な場面や、止めなければいけない場面はあります。

でも、
大きな声で注意することや、強い口調で圧をかけることが、本当に必要かというと、
僕は慎重に考えたいと思っています。

***

怒られているだけで、不安になる人がいる

発達障害のある方々の中には、

周囲の空気感や、
相手の表情、
声のトーンに、
とても敏感な方がおられます。

怒気が前面に出ると、それだけで不安や緊張が高まってしまう。

そして、不安や緊張が強まると、本来持っている力を発揮しづらくなる(みなさんも、そうした経験ありませんか?緊張で頭が真っ白になったり)。

だからこそ、僕は、少しでも不安が減るように
・声のトーン
・表情
・態度
・雰囲気

そうしたものを、できる限り穏やかにしていくことを大切にしています。

***

穏やかであることと、何も伝えないことは違う

これは、
「何も指摘しない」
「全部受け入れる」
ということではありません。

伝える必要があることは、伝える場合もあります。

でも、その時にも、大きな声で語気を強める必要はあるでしょうか。

静かなトーンで、落ち着いて、
わかりやすく伝えていく。

本当に伝えたいからこそ、伝わりやすく伝えていくことが大切かなと思います。
「伝えた」と「伝わった」は意味が違うので。

***

Low arousalという考え方

これは、英国自閉症協会(NAS)が提唱しているSPELLという考え方の中で言う、

「Low arousal」

とも重なる部分があります。

刺激や緊張を必要以上に高めず、安心できる環境をつくっていくという考え方です。

ただ、僕はこれは、
発達障害支援だけの話ではないとも感じています。

***

穏やかさは、「技術」だけではない

僕自身も、強い口調で言われると、それだけで焦ってしまうことがあります。

言葉が頭に入らなくなったり、萎縮したりすることもあります。

きっと、多くの方がそうではないでしょうか。

だからこそ、「穏やかさ」というのは、単なる支援技術ではなく、

“人と人との関係”の土台なのかもしれません。

***

「穏やかでありたい」と思い続ける

もちろん、現実は簡単ではありません。

忙しい時。
余裕がない時。
何度伝えてもうまくいかない時。

つい、声が強くなってしまうこともあります。

僕自身も、できていないことはたくさんあります。

それでも、

「穏やかでありたい」

と思い続けること。

そして、安心できる関係の中で、一緒にやり方を探していくこと。

それが、支援の出発点なのではないかなと思っています。

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