病院へ行きたいのに、行けない人がいます。

「病院へ行きたい。」そう思っていても、安心して受診できず、必要な医療につながれない人たちがいます。

今日の朝日新聞では、その現実と顧問を務めるNPO法人FMCAの活動が特集されました。
明日の朝8時まで無料で読むことができます。

ぜひ多くの方に知っていただきたいお話です。
佐々木 康栄 2026.07.26
誰でも

今日、ぜひ読んでいただきたい記事があります

今日の朝日新聞で、「障害のある人が安心して医療につながることの難しさ」が特集されました。

記事では、僕が顧問を務めさせて頂いているNPO法人FMCA(スペシャルニーズのある人のやさしい医療をめざす会)の活動とともに、FMCA代表理事の中井美恵さん、そして娘さんが歩んできた27年間が丁寧に紹介されています。

僕自身も、FMCA顧問として取材を受けました。
新聞に掲載されたことは、知っていただくきっかけの一つとして嬉しく思っています。

でも、それ以上に嬉しかったのは、この課題が全国紙で取り上げられたことでした。
実は、朝日新聞デジタルでは明日の朝8時まで無料で読むことができます。

もしお時間がありましたら、ぜひ読んでいただきたい記事です。

「病院へ行く」が、大きな壁になることがあります

記事では、中井さんの娘さんが幼い頃の診察で怖い経験をしたことをきっかけに、病院そのものが怖い場所になってしまったことが綴られています。

発熱しても受診できない。
「検査」という言葉だけで強い不安になる。
待合室へ入れない。
受診したくても、受診できない。

その結果、必要な医療につながるまでに時間がかかってしまう。

こうしたご相談は、決して珍しいものではありません。
実際に僕自身も、

「受診先が見つかりません。」
「病院で断られました。」
「怖がるので受診をためらっています。」

そんな声を伺うことがあります。

それでも、「伝える」という選択をしてくださいました

今回取材を受けられたのは、FMCA代表理事の中井美恵さんです。
記事には、親子が歩んできた27年間が綴られています。

病院で怖い思いをしたこと。
受診をためらい、症状が悪化してしまったこと。
「検査」という言葉だけで不安を感じるようになったこと。

こうした経験を全国紙で伝えることは、ご本人にとっても、娘さんにとっても、
僕には想像がつかないほど、とても勇気のいる決断だったと思います。

今は、安心してつながれる受診先もあるので、ご自分たちのことだけを考えたら、
わざわざ法人化して活動をしなくてもいいのかもしれません。

人前にこうして立つということは、正直いいことばかりではありません。
心ない言葉をかけられることもあります。嫌な気持ちになってしまうこともあります。

だからこそ、リスクを取らずに、ご自分がこれから出会い、ご相談をお受けした際に「我が家の場合はこうだったよ」と経験談をお伝えするという選択肢だってあります。

それでも中井さんがこうして立ち上がり、取材を受けられたのは、
「自分たちだけの経験」で終わらせたくなかったからです。

同じように困っている方が、安心して医療につながれる社会になってほしい。
その想いがあったからこそ、ご自身の経験を社会へ届けるという選択をされました。

僕は、その姿をすぐそばで見てきました。
だからこそ、この取材には大きな意味があると思っています。

誰か一人を責めても、解決しません

こういう話をすると、「医療者の理解が足りない」という話になりがちです。

でも、現場にいる立場としては、それだけではありません。

医療現場は、人手不足です。
時間にも追われています。
どう対応したらよいかわからないという声もあります。

つまり、「対応したくない」のではなく、
「対応したくても、その余裕や経験がない」という構造的な課題もあります。

だから、
親御さんだけが頑張ればよい話でもありません。
医療者だけが努力すればよい話でもありません。

社会全体で考えていく、まさに社会課題なのだと思います。

「点」を「線」にしていく

記事の最後で、中井さんはこう話されています。

「点は確実に増えている。その点を『線』にし、『面』にしていくことが必要だと思います。」

僕も、本当にその通りだと思います。

障害のある方への配慮を実践している医療機関があります。
理解しようとしている医療者がいます。
困っているご本人やご家族がいます。

でも、それぞれが「点」のままでは、必要な人へ届きません。

経験を共有すること。成功事例を積み重ねること。
医療、福祉、教育、行政、そして当事者やご家族がつながること。

その積み重ねが、社会を少しずつ前に進め、変化につながっていくのだと信じています。

FMCAという活動

FMCAは、「やさしい医療」を広げるための団体です。
ここでいう「やさしい医療」とは、特別扱いをすることではありません。

発達障害のある方。
知的障害のある方。
医療的ケアが必要な方。
強い不安のある方。
認知症のある方。
外国にルーツのある方。

さまざまな理由で医療につながりにくさを抱える方が、
安心して必要な医療を受けられること。

それを「あたりまえ」にしていくことです。

そのために、当事者、ご家族、医療、福祉、教育など、さまざまな立場の人たちが集まり、
一緒に学び、一緒に仕組みを考えています。

もし、この課題に共感していただけたら

まずは、朝日新聞の記事を読んでいただけたら嬉しいです
下記URLより記事が無料で読めるのは7月27日の朝8:00まで。本日の新聞にも同様に掲載されています)。

「病院へ行きたくても行けない人がいる。」

その現実を知っていただくだけでも、大きな一歩だと思っています。

そして、「こんな社会になったらいい」と感じていただけたなら、
ぜひFMCAの活動ものぞいてみてください。

FMCAは、まだ小さな団体です。

でも、小さな「点」が集まれば、やがて「線」になり、「面」になります。
一人では変えられないことも、仲間が増えれば変えられるかもしれません。

誰にとっても、必要な医療につながることが「あたりまえ」の社会へ。

その一歩を、これからも皆さんと一緒に積み重ねていけたら嬉しく思います。

もし、「少し応援したいな」と思っていただけたなら、
ぜひFMCAの活動やアンケートも覗いてみてください。

佐々木康栄

無料で「発達の多様性と、悪くない暮らし。」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。

すでに登録済みの方は こちら

読者限定
発達障害のある方からいただいた「味方」という言葉について。
読者限定
なぜ、人を批判するときに『発達障害』という言葉を使うのか
読者限定
「ASDだから○○」は、どこまで本当?
読者限定
「発達障害には才能がある」は、本当に優しい言葉なのか?
読者限定
発達障害は「個性」なのでしょうか?
読者限定
「そんなふうに見えないよ」は励ましになる?発達障害と“見えない困りごと...
読者限定
「昨日できたのに、今日はできない。」発達障害のある方では、なぜ起こる?...
読者限定
発達障害の特性は、災害時に目立ちやすくなる?